子供のバレエDVDコレクションレビュー



No.19「カルメン/若者と死」パリ・オペラ座バレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★|
<あらすじ>
【カルメン】スペインのたばこ工場で働く、盗賊の仲間カルメン。その魅力の虜になるドン・ホセ。軍隊の伍長から身を落とし、殺人まで犯してしまう。しかしカルメンの心は移ろい易く新たな男性との恋へと・・・。激情したドン・ホセは彼女にナイフを向ける。
【若者と死】若者の画家の家。ある日、謎の美女がやってくる。彼女は彼を弄び、いなくなってしまう。その彼女が消えた後にはロープが・・・迷走した若者はぶら下がり息絶える。再び訪れる美女。彼女の正体は死神だった。
馴染みのあるビゼーの名曲「カルメン」そしてバッハ!フランスを代表する振り付け家ローラン・プティ、その代表作を2本収録したバレエDVDです。「若者と死」は詩人ジャン・コクトーとの交流から生まれた作品。どちらもフランスらしいエスプリが香ってきます。両作品ともタバコを吸ったり、退廃的な雰囲気。ダンサーはさすがパリ・オペラ座のエトワール!という名演技で素敵。夏の怪談とまではいきませんが・・・どちらも「ヒヤっ」とするお話ですね。タバコを床で踏みつけて消すのを舞台でやってしまうのが強烈でした;
子供には辛いですが、大人が夜に楽しむには良いです。前衛的でお洒落な雰囲気満載の『ファムファタール』なバレエです。

【振付】ローラン・プティ
【原作】(カルメン)プロスペル・メリメ【音楽】ジュルジュ・ビゼー歌劇『カルメン』より
【出演】(カルメン)カルメン:クレールマリ・オスタ/ホセ:ニコラ・ル=リッシュ/カルメンの仲間:ドロテ・ジルベール
【原作】(若者と死)ジャン・コクトー【音楽】ヨハン・セバスチャン・バッハ『パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582」
【出演】(若者と死)美女:マリ=アニエス・ジロー/若者:ニコラ・ル=リッシュエ(2005年)

No.18「イワン雷帝」パリ・オペラ座バレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★|
<あらすじ>
ロシア全土を統一をさせた、実在する16世紀のツアーリ(皇帝)の史実を元にしたバレエ。貴族との権力闘争での陰謀に幼少時から苛まされ、冷酷無比な王に変って行く心境を踊りによって綴っています。唯一愛したと言われる初婚の妻(実際は6人いたと言われる)との心象に焦点を当てています。妻を毒殺された後、広大なロシアを統治する為に恐怖政治を強いた皇帝。その半生を描いた作品です。
曲はシンデレラと同じセルゲイ・プロコフィエフ!映画が有名ですが、当時それに合わせて作曲したそうです。今回は重厚感に溢れていました。
振り付けはグリゴローヴィチ氏。この方の振り付けは男性的で力強い印象です。「スパルタクス」も「白鳥の湖」もそうでしたが、この演目も然りで迫力がありました。
今回のバレエ「イワン雷帝」では最愛の妻を失い、狂気の世界に向かう皇帝の心境をバレエで見事に体現!
恋敵の貴族役で出演している、カールパケットの演技も冴えていました。(ソロも多いです)ノーブルな雰囲気で彼の踊りはやはり目を引きますね。
そして「クレムリンの鐘」を鳴らす演出で心情を巧みに表現していたのが印象的でした。悲しくも美しい演目で「大作」と言うに相応しい風格のバレエです。


【振付ユーリー・グリゴローヴィチ【音楽】セルゲイ・プロコフィエフ
【演奏】ヴェロ・パーン指揮/パリ・オペラ座管弦楽団/
【出演】イワン雷帝:ニコラ・ル=リッシュ/アナスタシア(妻):エレオノーラ・アバニャート/クルブスキー公:カール・パケット/全2幕(2004年)

No.17「三人姉妹」英国ロイヤルバレエ団
|おススメ度★★|子供と一緒に鑑賞★|
<あらすじ>
ロシアの地方が舞台です。首都モスクワから引っ越してきた3人姉妹。首都に帰りたいのですが、しがらみで足並みが揃わず・・・実現できずにいる日常。
そして3人のそれぞれの思い人、方思い恋愛の愛情のもつれから・・・決闘まで。人間模様を巡る話。
倦怠期の夫婦、夢見る未婚の末娘・・人間模様と恋愛要素の強い作品。
とは言え気が付けば画面にクギ付け;さすが英国ロイヤルバレエ団!踊りに気品があってとっても芸術的です。
音楽はチャイコフスキー。出だしはロシア民謡バラライカの旋律、それがピアノに代わるとバレエらしくなってきます♪
セットも豪奢で19世紀のヨーロッパ的な画面の美しさに引き込まれます。ロシア文豪チェーホフの戯曲を巨匠ケネス・マクミランが振付。
ソリューヌイ役にアダム・クーパーも出ています。映画仕立てでアップの表情を多様している演出は新鮮です。
【振付】ケネス・マクミラン【音楽】ピョートル・チャイコフスキー
【出演】マーシャ:ダーシー・バッセル/ヴェルシーニン中佐:イレク・ムハメドフ/クルイギン:アンソニー・ダウエル/イリーナ:ヴィヴィアナ・デュランテ/オリガ:ニコラ・トラナー/トゥーゼンバッハ:ステファン・ウィクス/ソリューヌイ:アダム・クーパー/アンドレイ・プローゾロフ:ゲイリー・エイヴィス/ナターシャ:ジュネシア・ロザート/軍医チェブトゥイキン:デレク・レンチャー/

No.16「ラ・バヤデール」パリ・オペラ座バレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★|
<あらすじ>
舞台は古代インド。舞姫ニキヤと兵士ソロル。愛し合っていた2人を引き裂き、舞姫ニキヤを我が物にしようとする高僧。また兵士ソロルにも上司から自分の娘ガムザッティとの結婚を持ちかけられる。2人の中を妬む周囲の策略により、舞姫ニキヤは亡き者にされてしまう。悲しみのあまり入り浸る生活を送る兵士ソロル。薄れ行く意識、夢の中で2人の魂は強い絆を結ぶのであった。
コンクールでもよく踊られる有名な演目、古代インドがモチーフの「ラ・バヤデール」が登場!
世紀のダンサーと言われるルドルフ・ヌレエフが死の間際に振付けたという演出をパリ・オペラ座バレエ団が踊ります。収録から世紀を超えてなおベスト・キャストと言われる名盤が今回待望のコレクション化に。パリ・オペラ座で代表格のアニエス・ルテステュも若手の第1ソリストとして出演しています。ただ、幼児にはちょっと辛いかも。
【振付】ルドルフ・ヌレエフ(プチィパ版)【音楽】ルードリッヒ・ミンスク
【演奏】ミシエル・ケヴァル指揮/コロンヌ管弦楽団/
【出演】ニキヤ:イザベル・ゲラン/ソロル:ローラン・イレール/ガムザッティ:エリザベット・プラテル/苦業僧:リオネル・ドラノエ/高僧:フランシス・マロヴィク/ラジャ:ジャン=マリ=ディティエール/黄金の像:ウィルフリード・ロモリ/影の王国のソリスト:アニエス・ルテステュほか/全3幕

No.15「シンデレラ」チューリッヒ・バレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★★|
<あらすじ>
新解釈!舞台はお城ではなく「バレエ界」。教師の母が死にコールド(群舞)の一員として踊っていた才能豊かな娘、シンデレラ。彼女の才能をねたむ義母と義理姉のいじめもありますが、スターダンサー(王子)が自分のパートナーを捜す舞踏会へバレエ教師の計らいで出向き、運命の相手と出会います。王子はシンデレラを探し世界中のバレエ団をかけめぐります。
ハインツ・シュベリ版の「シンデレラ」は新解釈。なんと!バレエ界のスターダンサーがパートーナー(シンデレラ)を探すという設定なのです。
とはいえ音楽は熊川哲也氏のKーバレエ団と同じ、セルゲイ・プロコフィエフ(ロシア)。男性2人が扮する屈強+意地悪なお姉さん達が、古典ながらなんともコミカルで面白いです!発表会や演目で馴染みのある演目。笑ってお子様と一緒に楽しめます。「白鳥の湖」もですが長年愛されてる演目は様々なバリエーションを持って広がっていきますね。従来の「シンデラ」を知っている方も新解釈はまた一味違うので比べて鑑賞されるのにオススメです♪
【振付】ハインツ・シュペルリ/【音楽】セルゲイ・プロコフイエフ/【演奏】チューリッヒ歌劇場管弦楽団/
【出演】シンデレラ:カリン・シニカ/フレデリック:スタニラフ・イェルマコフ/仙女(バレエ教師):マリーヌ・カステル/義母:ヨゼフ・ヴァルガ/義姉:ニコラス・ブラン、フランソワ・プティ/

No.14「椿姫」パリ・オペラ座バレエ団
|おススメ度★★|子供と一緒に鑑賞★|
<あらすじ>
パリの高級娼婦マルグリット。彼女が結核で死に遺品がオークションにかけられた。かつての恋人、貴族青年アルマンがかけつける。
2人の淡い恋は彼女のパトロンである公爵、体裁を気にする父の懇願により引き裂かれてしまったが・・・・純愛とは何かを体現するバレエ。
「椿姫」と言えばオペラで有名ですよね。バレエでは各幕にひとつずつある見せ場のパ・ド・ドゥはガラ・コンサートでも上演されるくらい完成されています。
マルグリットの着ているドレス色より「青、白、黒のパ・ド・ドゥ」と言われ、2人の時間や心境変化が色濃く表現されています。
オペラと違いは彼女の死から始まる所。バレエにおける「椿姫」ならではノイマイヤーの新しい解釈ですね。
そして全編の音楽をショパンの旋律がとても美しく、そして悲しく、踊りを彩っています。
ダンサーに隔週バレエDVDコレクション「白鳥の湖」で悪魔ロットバルトを演じたカール・パケットが。彼もまた違った雰囲気で出演していて軽やかな演技を見せてくれます。お子様には内容が悲恋、そして大人の恋愛なので・・・・少し敷居が高いかな?という印象ですが素敵です♪


【振付】ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン/【原作】アレクサンドル・デュマ・フィス/【演奏】:ミヒャエル・シュミッツドルフ指揮、パリ・オペラ座管弦楽団【ピアノ】エマニュエル・ストロッセル、フレデリック・V=クニッテル【全3幕】
【出演】マルグリット:アニエス・ルテステュ/アルマン:ステファン・ビョユン/ガストン・ルルー子爵:カール・パケット/ブリュダンス:ドロテ・ジベール/マノン:デルフィーヌ・ムッサン/デ・グリュー:ジョゼ・マルティネズ/デュバル氏:ミカエル・ドナール/

No.13「ファラオの娘」ボリショイバレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★★|
<あらすじ>
古代エジプトにタイムスリップした英国人の探検家ウィルソン卿がファラオの娘である王女「アスピチア」と恋に落ちるお話。
イギリス探検家の一行はエジプトで砂嵐に襲われ、ピラミッドの中に逃げ込む。そこは王女が眠るピラミッド墓所だった。
一行が寝静まるとミイラの棺が起き上がり、王女が美しい姿で出て誘う仕草をする。気が付くとウィルソン卿は古代エジプト時代の青年に扮していた。王族の狩りの最中に出くわし、ライオンに襲われた王女を助けるウィルソン卿。2人は相思相愛になる。
しかし政略結婚により、隣国の王に嫁がなくてはならないファラオの娘アスピチア。思いがつのる余り、2人は駆け落ちしてしまう。そして・・・。ファンタジー満載のハッピーな演目。
主役はスヴェートラーナ・ザハーロワ!近年ボリショイバレエ団で超人気ダンサーです。2011年に産後復帰されたんですよね。そして相手の男性はセルゲイ・フィーリン。ボリショイ劇場改装中に現役を引退してしまいましたが、跳躍の名手ですね。現在はボリショイ芸術監督として次世代を育成、牽引されています。彼のさわやかな笑顔、高い跳躍には圧倒されました。ボリショイバレエは王道を完璧に踊るので本当に楽しめますね!よく雑誌に掲載されいたので知ってはいましたが、全盛期(このDVD)での力強く清清しい演技に見入ってしまいました。
そして、第一幕の冒頭に出てくる猿役として、第1ソリストの岩田守弘さんも出演されていました。演技(マイム的)な要素がメインですが、本当に猿そのもの!自然なモーションが素晴らしいです。ファラオの娘は子役も大勢出てきます。エジプト舞台の演目らしくピラミッドも出てくるし、お約束の怖そうなミイラにちょっとドキドキ♪子供が観ても楽しめる演目で良かったですv

【振付】ピエール・ラコット【原振付】マリウス・プティパ【原作】ティオフィル・ゴーティエ【音楽】チェザーレ・プーニ【演奏】ボリショイ管弦楽団(全3幕)
【出演】王女アスピチア:スヴェトラーナ/ザハーロワ/ウィルソン卿:セルゲイ・フィーリン/ラムゼ:マリーヤ・アレクサンドロワ/ジョン・ブル:ゲンナジー・ヤーニン/漁師:ドミトリー・グダーノフ/漁師の妻:インナ・ペトロワ/ナイルの神:ウラジミール・モイセーエフ
/猿:岩田守弘/

No.12「シルヴィア」パリ・オペラ座バレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★|
<あらすじ>
月の女神ディアナに仕える、お気に入りのニンフ「(妖精)シルヴィア」。彼女に恋する牛童「アミンタ」が言い寄ってきて、相思相愛になりかけるものの
ディアナ以下恋愛禁止の掟により叱責され、アミンタを平手打ち!しかし、女神ディアナ自身も別の牛童に恋した過去を持っていた。その後、シルヴィアは愛の神アムールの誘惑によりディアナの元を離れ、享楽的な生活に身を投じる。(当DVDでは、ダンスパーティでタバコを舞台で吸うマイムも!)
月日は流れ、再会した白髪混じりのアミンタとシルヴィア。しかしもう時間は取り戻せない。
一言で表すと「エレガンス」!!!ですね。パリオペラ座のエスプリがTVから香ってくるかの様な・・・・現代舞踊(コンテンポラリー)満載のバレエでした。
題材がギリシア神話なのでクラシックかと思ったら肩透かしされましたが、そのモダンで斬新な踊りに釘付けです。
ガルニエ宮の杮落としで初演された演目をリニューアルして現代的にアレンジした演目。舞台美術もシンプルながら、フランスの最先端アートの様な演出、舞台セットで優雅な大人の気分に浸れます。従来の古典舞台がルーブル美術館だとしたら、パリモダンアートの殿堂、ポンビドーセンターと言った所。

【振付】ジョン・ノイマイヤー【音楽】レオ・ドリーブ【演奏】ポール・コネリー指揮/パリ・オペラ座管弦楽団
【出演】シルビア:オレリー・デュポン/アミンタ:マニュアル・ルグリ/アムール:ニコラ・ル=リッシュ/ディアナ:マリ=アニエス・ジロー

No.11「ジュエルズ」パリ・オペラ座バレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★|
<あらすじ>ストーリーはなく「音楽」を宝石の様にきらめく「バレエ」の動きで表現するという試み。ジョージ・バランシンの名作です。
バレエはイタリアで生まれ、フランスで開花し、ロシアで完成したと言われています。偉大な振り付け家ジョージ・バランシンが
それにパリやアメリカのモダン要素を加え、一体感を創造し音楽を具現化した作品です。3部構成で
「フランス=エメラルド」ではパリのエスプリ香るエレガントなバレエを、「アメリカ=ルビー」ではモダンで斬新なバレエの動きを表現しています。
そして「ロシア=ダイアモンド」古典的バレエへのオマージュが踊りで伝わってくるかの様な優美さ。
美しいエトワール、アニエス・ルテステュの宝石の煌きには心を奪われました・・・。反面、お子様にとっては物語がないので少し物足りないかもしれません。
【振付】ジョージ・バランシン【音楽】フォーレ/ストラスヴィンスキー/チャイコフスキー【演奏】ポール・コネリー指揮/パリ・オペラ座管弦楽団
【出演】レティシア・ピュジョル/マチュー・ガニオ/クレール・マリ・オスタ/ガデル・ベラルビ/エマニュエル・ティポー/オレリー・デュポン/アレッシオ・カルボネ/マリ=アニエス・ジロー/アニエス・ルテステュ/ジャン=ギョム・バール

No.10「ラ・シルフィード」デンマーク・ロイヤルバレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★|
<あらすじ>
スコットランド。結婚を控える青年ジェイムズは夢に現れた妖精シルフィードに誘惑され心を奪われる。そんな自分の気持ちを打ち消すも、お祝いパーティで婚約者エフィとの破談をジプシー扮する魔女マッジに予言されてしまう。マッジを好きな男性ガーンとの三角関係。更にパーティ最中に結婚指輪をシルフィードに取り上げられ、森へ追いかけるジェイムズ。シルフィードの魅力に抗えない彼は・・・・。
つま先で立つ様になった最初の演目であり、ロマンティック・バレエの原点と言われる作品です。このヴアノンヴィル版はその古典的な名作を忠実に美しく伝える貴重な版として名高い振り付けです。白いドレスで舞う妖精シルフィードが何とも幻想的でした。男性でもスカートをはくスコットランドの民族衣装のチェック地や魔女が出てて釜で似るシーンなど、お子様にとって見た目に楽しい場面も多いですが、基本は「婚約者の裏切り」がテーマなので、少し説明するのが難しい内容です。とはいえ、バレエを知る上で欠かせない名作品であると言われておりますし、大人には面白い作品です。
【振付】アウグスト・ヴアノンヴィル【音楽】H・ローヴェンスキョル/オリジナル【演出】ハンス・ブレノー【演奏】ポウル・ヨアンセン指揮、デンマーク王立管弦楽団/全2幕
【出演】シルフィード:リス・イェペセン/ジェイムズ:ニコライ・ヒュベ/マッジ:ソレラ・エンルン/ガーン:モーテン・ムンクスドフ/エフィ:アン=クリスティン・ハウゲ

No.09「コッペリア」オーストラリア・オペラ座バレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★★|
<あらすじ>
とあるポーランドの村。人形技師コッペリウス博士の2階の窓辺。美少女コッペリアはいつも本を読んでいる。
スワニルダの恋人フランツは彼女が気になって仕方がない。やきもちを焼くスワニルダは偶然、博士の家の鍵を手に入れると・・?
バレエ教室の発表会でもよく上演される演目ですね。一流ダンサーが人形の様な動きをする「人形ぶり」に注目です。
スワニルダの快活でおてんばな様子がとても可愛らしく踊りで表現されています。コメディーなので観ていて楽しい、ハッピーなバレエ演目ですね。
小さなお子様と一緒に安心して面白く鑑賞できるDVDです♪。有名なレオ・ドリーブの音楽も素敵。
【原振付】アルチュール・サン=レオン【改新振付】マリウス・プティパ【演出】ジョージ・オギルヴィー【音楽】レオ・ドリーブ/指揮:ノエル・スミス【演奏】オーストラリア・オペラ・バレエ管弦楽団【全3幕】
【出演】スワニルダ:リサ・パヴァーン/フランツ:グレッグ・ホースマン/コッペリウス博士・コリン・ピアズレー/コッペリア:ニコール・マーシュマン/あけぼの:エリザベス・トゥーヘイ/祈り:リサ・ボルト/ほか、オーストラリアバレエ団

No.08「真夏の夜の夢」アメリカン・バレエシアター
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★★|
<あらすじ>
妖精の王と王妃の夫婦喧嘩に2組の人間の恋人達が巻き込まれ、妖精王オーベロンの従者パックに別々の相手にほれ薬を待ちがえて塗られてしまいました。
有名なシェイクスピアの喜劇をバレエ演目に仕上げたものです。
ヨーロッパの夏至の祭りの夜の話。ヨーロッパでは古くから妖精が現れて不思議な事が起こる日と言われている様です。メンデルスゾーンの曲が心地よい、幻想的なバレエです。
パックの踊りは身軽で宙を飛んでいるかの様!作品が1時間程度と短いのですが、子供にはちょうど良い長さで楽しんでみる事が出来ました。ロバ(きぐるみ)に恋する妖精王女のシーンは親子で笑いがこぼれそうです。英国ロイヤルバレエ団にその人ありと言われる、アレッサンドラ・フェリ扮する王女タイターニア。優雅な踊りが見事でさすが世紀を代表する「プリマ」という貫禄たっぷり。その美しさは必見です・・・!
【振付】フレデリック・アシュトン【音楽】フェリックス・メンデルスゾーン【原作】ウィリアム・シェイクスピア【演奏】オムルスビー・ウィルキンス指揮、パシフィックシンフォニーオーケストラ【全1幕】
【出演】タイターニア(王妃):アレッサンドラ・フェリ/オーベロン(妖精王):イーサン・スティーフェル/パック:エルマン・コルホネ/ハーミア:ステラ・アブレラ/ライサンダー:カルロス・モリナ/ヘレナ:マリアン・バトラー/デメトリアス:イーサン・ブラウン/

No.7「海賊」キーロフ・バレエ団(現:マリインスキー)
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★(※男子には★★★)|
<あらすじ>
舞台は中世ギリシャ。難破した海賊船を助けた美しい娘メドーラとひと目で恋に落ちる海賊首領コンラッド。この時代はトルコ帝国の支配下にありメドーラは奴隷商人に
誘拐され、トルコ総督に売り飛ばされてしまう。救出に向かう海賊達。勇敢な海賊アリの活躍をはじめ力強く男性的なバレエです。
ロシアを代表するキーロフ・バレエ団(現:マリインスキー)で初演されたオレーグ・ヴィノグラードフ版。奴隷市場やトルコ総督のハーレムまで、美しくエキゾチックな
雰囲気を繰り広げる、スペクタクルなバレエ。日本ではK-バレエ団が一気に押し上げた有名な演目ですね。ダイナミックな動きが多く男性に重きを置いた踊りではありましたが熊川哲也氏の斬新な演出によって更に海賊の活躍に焦点があてられ、アリの魅力も一段とアップしました。ロシアを代表するバレエ団と比べるのも見ごたえアリ!です。
【振付】マリウス・プティパ【演出】ピョートル・グーセフ/オレーグ・ヴィノグラードフ【音楽】アドルフ・アダン/チェーザレ・プーニ/レオ・ドリーブ/リカルド・ドリゴ/オルデンブルグ公爵【台本】パイロンの詩により/全3幕
【出演】メドーラ:アルティナイ・アシムラートワ/アリ:ファルーフ・ルジマートフ/ランデケム:コンスタンチン・ザクリンスキー/コンラッド:エフゲニー・ネフ/

No.6「ジゼル」オランダ国立バレエ団
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★★|
白い衣装が幻想的なロマンティック・バレエの代表格。恋人に裏切られ、気が触れてしまうジゼル狂乱の場では子供でも引き込まれて
見入ってました。感情の入り方によってクオリティが高くも低くもなる、演技者にとって非常に難しい演目といわれる「ジゼル」ですが
アンナ・ツィガンコーワは儚いながらも一所懸命に生きているジゼルを悲しいまでに表現していました。そして2幕はこの世の者とは
思えない・・・・軽やかなステップでウィリーに変化していました。ウィリーのコールド(群舞)も美しい踊りで夢の中に誘ってくれました。
悲恋ですが、舞台画面がとにかく綺麗なので子供も真剣に観るので楽しめる演目です。
【振付】マリウス・プティパ【制作及び改新振付】ランシェル・ボージャン、リカルド・ブスタマンテ【音楽】アドルフ・アダン【演奏】ボリス・グルージン指揮、オランダ・シンフォニア/全2幕
【出演】ジゼル:アンナ・ツィガンコーワ/アルブレヒト:ヨセフ・ヴァルガ/ミルタ:イゴーネ・デ・ヨング/ヒラリオン:ヤン・ゼレル

No.5「ドン・キホーテ」ロシア国立チャイコフスキー記念ペルミ・バレエ
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★★|
言わずと知れた「ドン・キホーテ」!!
陽気で明るい、スペインの情熱的な物語。20世紀を代表するダンサー、ニーナ・アナアニアシヴィリの熱演とテクニック、そして笑顔に魅了されます♪
原作はセルバンテスの長編小説ですが、バレエでは原作を元にエピソードを抜粋し膨らませたお話しになっています。
ですのでドン・キホーテと従者サンチョ・パンサは狂言回し。主役はニーナ演じるキトリとその恋人バジルの恋物語です。
スペイン、フラメンコさながらの赤い衣装にカスタネットやタンバリン、そして闘牛士。スペイン気分満喫で観た後に笑顔になれる演目です。

原振付:マリウス・プティパ/アレクサンドル・ゴルスキー改新振付:G.リジャーフ/T・ワルラーモア(第2幕はN.A.メッセレルの振り付けを採用/音楽:レオン・ミンクス/演奏:アレクサンドル・ソトニコフ指揮、新星日本交響楽団(プロローグ付き全3幕)
出演:キトリ:ニーナ・アナアニアシヴィリ/バジル:アレクセイ・ファジェーエフ/ほかロシア国立チャイコフクスキー記念ベルミ・バレエ

No.4「ロミオとジュリエット」英国ロイヤルバレエ団
|おススメ度★|子供と一緒に鑑賞★|
文豪、シェイクスピアの原作を元にしたバレエ作品。シェイクスピアと言えば、台詞の嵐!というイメージなのですが、バレエの演目となると
ひと言も言葉を発せず、踊りのみでの表現となります。かなり至難の演目だと思うのですがジュリエット役の
アレッサンドラ・フェリの熱演が特筆でした。初恋の初々しさ、そして敵対する家同士の悲恋の有様を踊りで見事に体現しています。
音楽はシンデラレラと同じプロコフィエフ。こちらも閉塞的で重々しい貴族の曲から初恋の切ない旋律まで台詞を補うばかりか、余りある音楽でした。
プロコフィエフの作曲はシンデラでもそうでしたが悪役もどこかコケティシュに感じますね。このDVDでは従来のバレエの衣装ではなく
より原作の時代に近い服装になっています。ですのであまり華やかさはなく、画面が暗いのと、人物の相関関係が複雑なので説明しにくく
幼児と鑑賞するには難しい演目でした。
【原作】ウィリアム・シェイクスピア【振付】ケネス・マクミラン【音楽】セルゲイ・プロコフィエフ【演奏】アシュレイ・ローレンス指揮、ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団【全3幕】
【出演】ロミオ:ウェイン・イーグリング/ジュリエット:アレッサンドラ・フェリ

No.3「眠れる森の美女」パリ・オペラ座バレエ団
|おススメ度★★|子供と一緒に鑑賞★★|
豪奢な舞台美術で送る眠りの森の美女。踊りのクオリティはもちろん、最高級の衣装にも目を見張るものがあります!
話しは従来の有名なおとぎ話です。呪いをかける魔女カラボスのシーンは緊張があり、子供はドキドキしてました。
その後は優雅な結婚式や宮廷の踊りがメインなので、全体的にのんびりした印象です。お誕生日会やパーティのバックミュージックに最適ですね。
細かい超絶技巧のテクニックに注目される方は楽しめますが、初心者(幼児)にとっては長いので家庭モニターですと少し間延びしてる感があった様です。
原作:シャルル・ペロー/振付:ルドルフ・ヌレエフ/原振付マリウス・プティパ/音楽:ピョートル・チャイコフスキー/演奏:ディビット・コールマン指揮、パリ・オペラ管弦楽団
出演:/オーロラ姫:オレリー・デュポン/デジレ王子:マニュアル・ルグリ/カラボス:ナタリー・オーバン/白い猫:レティシア・ピュジョル/フロリナ王女:デルフィーヌ・ムッサン

No.2「くるみ割り人形」ピーターライト版
|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★★★|
英国ロイヤルバレエ団(正式名称:英国バーミンガムロイヤルバレエ団)金平糖の精として吉田都さんが出演♪
ピーター・ライト版は子供と大人の役を別の人演じます。(子供の主人公はクララ、大人のメインは金平糖の精です)
プリマの吉田都さんの演技がとても美しく、音楽を踊りで体現出来る稀有のダンサーと称された絶頂期の踊りは必見です。
お話はクリスマスの夜の夢物語。子役が沢山出演するのでお子様と鑑賞するのも最適の演目です。
【原振付】レフ・イワノーフ【振付&演出】ピーター・ライト【音楽】ピョートル・チャイコフスキー【演奏】バリー・ワーズワーフ指揮、英国ロイヤル・バレエ・シンフォニア英国バーミンガム・ロイヤル。バレエ・オーケストラ【全2幕】
【出演】クララ:サンドラ・マジック/王子:イレク・ムハメドフ/金平糖の精:吉田都

No.1No.1「白鳥の湖」ヌレエフ版|おススメ度★★★|子供と一緒に鑑賞★
フランスを代表するパリ・オペラ座バレエ団。詳しくは書きませんが終幕は驚愕のバットエンド!!!
王子を超えてハンサムで魅力的な金髪の悪魔ロットバルト(カール・パケット)に注目。DVDだけあってUPも多いです。オペラ座の上から俯瞰で観る白鳥のコールド(群舞)も見ごたえがありました。
また悪魔「ロットバルト」は王子の家庭教師でもあり耽美的な男性同士の2人のデュエット(=パ・ド・ドゥ)が,いかにもフランスバレエ的な雰囲気をかもし出しています。子供の発表会等では従来のロシア版(ハッピーエンド)が多いので、新鮮な終わり方。通好みで大人の演目です。

【原振付】マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ【振付】ルドルフ・ヌレエフ【音楽】ピョートル・チャオコフスキー/ヴェロ・バーン指揮、パリ・オペラ座管弦楽団
【出演】王子:ジョゼ・マルティネズ/オデット&オディール:アニエス・ルテステュ/悪魔:カールパケット

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