古代ギリシア料理、魔女キルケーの『粥』

古代ギリシア料理より魔女キルケーの『粥』

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【材料(4人分)】
セモリナ粉・・・120g
リコッタチーズ・・・375g
ハチミツ・・・大2
溶き卵・・・・少々。

『古代ギリシア・ローマの料理とレシピ』~より。
①セモリナの粉はかぶるくらいに水を要れ10~15分浸しておく。
②①が柔らかくなったら水気を取ってリコッタチーズ、ハチミツ、溶き卵を加える。
③火にかけるが煮立たないようゆっくり熱する。
③静かに盛る。

約2900年前オデュッセウスが10年の放浪中に訪れた魔女キルケーの島。
オデュッセウスの部下達はそこで出された粥を食べたら粥に入れた魔女キルケーの毒により
ブタになってしまった・・・!という伝説がありますが、そのレシピがあったので再現してみました。
美味しいですが、蜂蜜の入れ加減を少なめにしたほうが甘すぎず良いです。

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古代マケドニア料理(その4)

古代ギリシア・マケドニア料理ー4皿目。紀元前300年頃のマケドニア貴族の結婚祝賀会メニュー「アレクサンドリアの菓子ーイトリア(Itria)」。アピキウスの料理書より。
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【材料】
ハチミツ・・・3/4カップ
ゴマ・・・1カップ
ナッツ・・・アーモンド、くるみ、ヘーゼルナッツ3/4(写真はヘーゼルナッツの代わりにがシューナッツ代用)
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【作り方】
①ゴマやナッツを色づくまで180度程度のオーブンでローストする。ローストナッツなら不要。
②ハチミツを煮詰めて沸騰させ7分間煮詰める
③②に①を入れて温めながらよくまぜる。
④クッキングペーパを引き③広げ覚まし、冷めたら手で丸める
⑤④を薄い紙で包み、食後にフルーツと供する。

イトリア(Itria)とはゴマとハチミツで作った薄い菓子のことーアテナイオス『食卓の賢人たち』より
また他の書物では
イトリアには2種類あり良質のものはryemata(流れ出た)と呼び、質素なものはlagana(ウエハース)と呼ぶ、
少しずつかじるもの。ビスケットのような形のものとの記述もある。
このレシピはイトリアの中で最も凝ったガリストス(gastris)というお菓子。
ハチミツを加える前にナッツをローストしておく。
イトリアはプラリネやヌガーの先祖のようなものだと考えられています。

実際に作ったら強烈に甘かったです。
思い切ってオーブンに入れて焼いてみたらカリカリにローストされて
ゴマのビターな苦味(コゲ)が出たので中和されました。
コーヒーによく合うスイーツですョ。

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古代マケドニア料理(その3)

古代マケドニア料理ー3皿目。紀元前300年頃のマケドニア貴族の結婚祝賀会メニュー「山羊のチーズとハーブの焼きサバ」。アピキウスの料理書から再現

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【材料】
サバ・・・・2尾
生のオレガノ・・・2枚
シェーブルチーズ・・・230g
アサフェティダ粉・・・小さじ1/2
塩・・・・適量
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【作り方】
①サバの切り身をオーブンの鉄板におく。
②塩とアサフェティダ粉をふりかける。
③オレガノのみじんぎりと砕いたチーズを混ぜて魚に押し付けまぶす。
④こんがり焼く。

アレクシス(138)アテナイオス『食卓の賢人たち』(323c-d)の書物では
マグロを使っての調理法を述べておりますが『古代ギリシア・ローマの料理とレシピ』の作者であるアンドリューさんがアレンジしサバで作ったレシピにして掲載しています。
地中海の暖かな水域にはムロアジはマグロが生息しますので
そちらで調理したほうがより古代の味に近い再現になるでしょう。

シェーブルチーズがしょっぱいので塩の効いた魚よりは
まぐろの方が味がマイルドになります。
古代マケドニアやギリシャで使われたのはシルフィム(ラーセルの根)だったのですが
ローマ時代に絶滅してしまいました。代用として
アサフェティダがローマ時代より用いられています。
シルフィムはネロ皇帝が最後の1本を食べてしまったと伝えられています。
アサフェティダは現在はインド料理の調味料として使われていますが
日本ではあまりなじみが無いハーブですね。
香りの印象はマンゴー+ドリアン÷2。南国のフルーティ感漂うフレーバーです。