タグ別アーカイブ: ヒストリエ

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古代マケドニア料理(その4)

古代ギリシア・マケドニア料理ー4皿目。紀元前300年頃のマケドニア貴族の結婚祝賀会メニュー「アレクサンドリアの菓子ーイトリア(Itria)」。アピキウスの料理書より。
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【材料】
ハチミツ・・・3/4カップ
ゴマ・・・1カップ
ナッツ・・・アーモンド、くるみ、ヘーゼルナッツ3/4(写真はヘーゼルナッツの代わりにがシューナッツ代用)
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【作り方】
①ゴマやナッツを色づくまで180度程度のオーブンでローストする。ローストナッツなら不要。
②ハチミツを煮詰めて沸騰させ7分間煮詰める
③②に①を入れて温めながらよくまぜる。
④クッキングペーパを引き③広げ覚まし、冷めたら手で丸める
⑤④を薄い紙で包み、食後にフルーツと供する。

イトリア(Itria)とはゴマとハチミツで作った薄い菓子のことーアテナイオス『食卓の賢人たち』より
また他の書物では
イトリアには2種類あり良質のものはryemata(流れ出た)と呼び、質素なものはlagana(ウエハース)と呼ぶ、
少しずつかじるもの。ビスケットのような形のものとの記述もある。
このレシピはイトリアの中で最も凝ったガリストス(gastris)というお菓子。
ハチミツを加える前にナッツをローストしておく。
イトリアはプラリネやヌガーの先祖のようなものだと考えられています。

実際に作ったら強烈に甘かったです。
思い切ってオーブンに入れて焼いてみたらカリカリにローストされて
ゴマのビターな苦味(コゲ)が出たので中和されました。
コーヒーによく合うスイーツですョ。

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古代マケドニア料理(その3)

古代マケドニア料理ー3皿目。紀元前300年頃のマケドニア貴族の結婚祝賀会メニュー「山羊のチーズとハーブの焼きサバ」。アピキウスの料理書から再現

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【材料】
サバ・・・・2尾
生のオレガノ・・・2枚
シェーブルチーズ・・・230g
アサフェティダ粉・・・小さじ1/2
塩・・・・適量
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【作り方】
①サバの切り身をオーブンの鉄板におく。
②塩とアサフェティダ粉をふりかける。
③オレガノのみじんぎりと砕いたチーズを混ぜて魚に押し付けまぶす。
④こんがり焼く。

アレクシス(138)アテナイオス『食卓の賢人たち』(323c-d)の書物では
マグロを使っての調理法を述べておりますが『古代ギリシア・ローマの料理とレシピ』の作者であるアンドリューさんがアレンジしサバで作ったレシピにして掲載しています。
地中海の暖かな水域にはムロアジはマグロが生息しますので
そちらで調理したほうがより古代の味に近い再現になるでしょう。

シェーブルチーズがしょっぱいので塩の効いた魚よりは
まぐろの方が味がマイルドになります。
古代マケドニアやギリシャで使われたのはシルフィム(ラーセルの根)だったのですが
ローマ時代に絶滅してしまいました。代用として
アサフェティダがローマ時代より用いられています。
シルフィムはネロ皇帝が最後の1本を食べてしまったと伝えられています。
アサフェティダは現在はインド料理の調味料として使われていますが
日本ではあまりなじみが無いハーブですね。
香りの印象はマンゴー+ドリアン÷2。南国のフルーティ感漂うフレーバーです。

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古代マケドニア料理(その2)

古代マケドニア料理ー2皿目。紀元前300年頃のマケドニア貴族の結婚祝賀会メニュー「レバーのオキシリンクス風」。アピキウスの料理書から再現」

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【材料】「レバーのオキシリンクス風」材料
ラムのレバー(牛肉レバーで代用)・・230g
赤ワインビネガー・・・大さじ2
オリーブオイル・・・大さじ2
生のコリアンダー(=香菜)・・・みじん切り(片手いっぱい)
乾燥コリアンダー(=香菜)・・・小さじ2
コショウ・・・適量
塩・・・・適量
【作り方】
①レバーに他の調味料をまぶし、2~3時間から一晩漬け込む。時間が勿体無い場合は手で肉にすり込む。
②肉だけでは色のバランスが悪いのでレシピ外ですがピーマンやパプリカを一緒に織り交ぜながら串に刺していく
③オーブンで25分程度、焼き加減に注意しながら調理する。
④同じくレシピ外ですが彩りでトマトを加えました。皿に盛って完成です。

このレシピはエジプト、オキシリンクスのパピルスに記載されていたギリシアの料理書に書かれたもので
その土地であるオキシリンクス風のものですね。
招待されたアテネ人ピッポロコスがサモスのリュンケウスに宛てた手紙に記したものが伝えられたようです。
到着すると客1人1人にワインの銀杯が配られ、青銅の皿には大きな平たいパン、そして
鳥、鴨、鳩の切り身が第一コース、第二コースは銀皿にガチョウ、ウサギ、子山羊、第三コースには鳩、雉鳩、山うずらなどが
供されました。
象牙の籠にはフルーツ、ナッツが。それぞれ相応しい容器にクレタ風、サモス風、アテネ風のケーキ。
卵黄がけのつぐみ、うぐいすの詰め物が入った丸焼きのブタ。焼いた牡蛎やホタテ貝。子山羊のシチューには金の匙。
全て食器も含め持ち帰る土産としてふるまわれたと記されています。


ローマ時代にフォークが出てきたのでこの時代はスプーンのみですね。

この「レバーのオキシリンクス風」。原書の『オキシリンクス料理書』では良いレバーを切り分け、コリアンダー、タイム、シルフィム、野菜ジュース、ビネガーで和え、串にさし、高温で焼いて供する。と記載されていますが
当時の野菜ジュースの感覚がイマイチ謎ですね~;

香菜が苦手な人にはあまりオススメしませんが
アジアンエスニックが好きな人には楽しめる味です。